切手が主役の名作映画

海外旅行が高嶺の花だった時代、エアメールを手にした時のトキメキは、今の時代では、容易に想像はできないかもしれません。

 

枠をトリコロール色で彩られた封筒に、異国情緒たっぷりの切手が貼られた手紙が届いたのを初めて見つけた時、私は両親にせがんで封筒を貰い、宝物として大切にしていました。

 

四十年くらい前は、今よりも切手収集がメジャー時代で、デパートの上層階の、趣味のコーナーの一角には、珍しい高価な年代物ものから、リーズナブルなものまで、色々と取り揃えてありました。
中でも使用済みの外国切手は、安く手に入れることができたので、私は特にヨーロッパの切手を好んで集めていました。
最近、そんな幼少期を思い出させてくれる出来事がありました。

 

それは、オードリヘップバーンとグレゴリーペックという二大スターが共演する映画「シャレード」を観たことです。
次々と起こる殺人事件に巻き込まれるヘップバーンに、紳士的な男性、グレゴリーペックが近づき、事件解決に手助けしてくれるのですが、次第に本当に彼は味方なのか疑惑も浮かんでくる、というもので、パリを舞台に繰り広げるサスペンスです。
この中で、切手が謎を解くカギとして大活躍するのです。
実力派俳優の演技、そしてオスカーを何度も受賞しているヘンリーマンシーニーの映画音楽が相まって、極上の映画に仕上がっています。
大の大人たちが、あくせくしながら切手に振り回されるストーリーに、普段、なかなか注目されることが少ない切手ですが、圧倒的な存在感を放っていました。

 

最近は、メールが主流となり、切手を貼った封書を送ることも、受け取ることも随分減りました。その反面、郵便事業では、キャラクターや自然の風景、記念切手などに力を入れ、頻繁に売り出しているニュースも耳にします。

 

久しぶりに、ホームステイでお世話になったイギリスのホストファミリーに手紙を書くために、こだわりの切手を探してみるのもいいかな、と思っています。